■併設の畑で、利用者様と一緒に種や苗を植え育てています。収穫した際は、皆さんで調理し、毎日の食事の一品として食卓を飾っています。
■自分でできること、自分でしたいことはできるだけ行っていただきます。リスクを考えながら、その人の状態に配慮し「したい」気持ち、「自己決定」を大事にしています。
居室の窓は掃き出しの窓です。たいていの施設は、安全を考え腰高の窓になっています。しかし、「安全」が優先され、そこに住む方の快適さが奪われてしまいます。私たちは、居室から一歩外に出られる環境を作り、部屋の外で涼んだり、庭に出て気分転換ができるように、あえて掃き出しの窓にしました。部屋から出て「転倒し怪我をしてしまう」「認知症の人が出てしまい戻れなくなってしまう」などの心配がありますが、施設の周りはフェンスがあるのでそれ以降の安全対策を行っているのでその心配はほとんどありません。掃き出しの窓にすることで、開放感が得られ、施設独特の閉鎖的感覚が軽減されます。
有料老人ホームのほとんどは、20人以上の大所帯です。しかし、周りを通りかかっても「人が住んでいるのかな」と思うような印象を受ける事があります。たいていの家庭は、「外に洗濯物を干しているお母さんの姿」や「休日には庭の植木をいじっているおじいちゃんが」といったように、施設も利用者様が住んでいる家である以上、そういった雰囲気が漂っているのが当たり前だと思っています。「施設だから洗濯物はまとめて乾燥機に」ではなく、「天気がよい日は外で干して、乾いたら取り込んで」、「窓の外には好きなお花や植木が植えてあって」など、そこに住んでいる人それぞれの生活観が漂う施設を目指しています。
「今日は暑いから○○が食べたいね」「テレビで見た○○を食べたいね」と私たちはその時の気分で食べたいと思う食事が変わってきます。大きな所帯や施設、委託業者に食事を依頼していると、数ヶ月前に栄養士さんの立てた献立通りに食事が出される事がほとんどだと思います。私たちは、食という最も大切な人間の欲求を、できるだけ家庭に近いものにしたいと思っています。「畑で取れた新鮮な野菜をその日に食べる」「暑いから今日は冷たい○○が食べたいね」といった何気ない要望に応えるため、普通の家庭と変わらない「冷蔵庫の中の材料とにらめっこし、利用者さんの食べたいもの」をできるだけお出しするよう努めています。時期の野菜が毎日出ることも、普通の家庭で見られる光景と思います。もちろん、衛生管理や健康管理には十分配慮しています。
「できれば不自由でも自宅で生活したい」と、ほとんどの方はそう思っていると思います。しかし、いろいろな事情で施設を選び覚悟を決めて入居されてきている人がほとんどです。だからこそ、少しでも「楽しい」と思っていただけるよう努めています。介護の場面一つ一つでも「何気ない声かけ」に努め、頬がほころぶ場面を1分1秒でも多く作れるよう努めています。「あと何年生きられるだろう」と時々利用者様より聞かされます。だからこそ「笑顔」の瞬間、「楽しい」と思える時間を少しでも多く感じていただけるよう努めます。
◇施設の類型・表示事項
住宅型有料老人ホーム
◇住居の権利形態
利用権方式
◇居室概要
一般居室・20室 定員20名
◇居室面積
13.19~14.29㎡